みなさんこんにちは。
ミライトスマイナビです。いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
今回のテーマは” エコキュートの故障”についてです。
冬の時期にもっとも多いお問い合わせが「壊れたので早急に工事してほしい!」というもの。
数百件のエコキュート交換を見てきましたが、どれも設置・購入から9~14年で冬に起こることが多い印象です。
今回はそんなエコキュートの故障について、どんな故障があるのか、どうすれば寿命を伸ばせるのか、はたまた買い換えるのはいつが良いのか、についてエコキュートを販売している身として過去にお客様からお寄せいただいた声とともにお伝えしようと思います。
エコキュートの寿命
まず大前提としてエコキュートは最も冬に故障しやすいです。
水を空気中の熱でお湯にするわけですから、低い水温を上げるために夏場と段違いの高負荷がかかり様々なパーツが耐えられなくなる、、、や、配管が凍結してしまい故障してしまいます。
タンクの寿命
貯湯ユニットの寿命は10年~15年と言われています。他の部品に比べて長く、各メーカーの保証も貯湯タンクだけは標準でも3~5年程度の保証期間を設けています。
水抜きや逃し弁でのタンク内の減圧を定期的に行うことで寿命を延ばすことが可能です。それについては下に書いておきますので、よく読んで実践しましょう。
※タンクお湯を沸かしているときに、膨張した水をタンクを守るためにタンク下部から排水することがございますが、この場合は正常です。
ヒートポンプユニットの寿命
ヒートポンプユニットは5~10年程度で故障するケースが多いです。タンクよりも電子的な部品が多く、故障しやすいうえに修理費は高額です。(10~15万円程度)
ヒートポンプユニットもお湯を沸かす際に水がポタポタと排水されますが、湿度を含む空気と機器背面の熱交換器が触れることによって生じる「結露」です。
多いと一晩に10リットル程度も結露水が出るため多くて気になるという方は排水処理を確認しましょう。
エコキュート故障のよくある症状一覧とその修理費
その他に、主な故障しやすい部分・症状とその修理費の相場をまとめましたのでご参照ください。
冷媒系統の故障
冷媒となる二酸化炭素の通り道の故障や、熱を生むために圧縮する機器などを指します。
当店で取扱いのある各メーカーの標準保証期間は3年となっておりますが、こちらが故障した場合は修理ができない場合が多く、ヒートポンプユニットの交換となります。 (10~15万円程度)
基盤の故障
基盤といってタンク内に複数基盤、ヒートポンプユニット内にも複数の基盤、リモコンの基盤と様々です。
交換が簡単な部分や難しい部分もございますので、金額は5~20万円程度と幅がございます。
漏水が原因で故障するケースや、稀に落雷による故障を聞いたことがございますが、落雷の場合は自然災害にあたるためメーカー保証では保証対象外となるかと思います。
漏水・水漏れ
タンク内のゴムパッキン等の消耗品の摩耗によって起こるケースと設置不良によって起こる場合、凍結により配管が割れてしまう場合などがございます。
消耗品は消耗・劣化しますので、10年以上お使いだという方は点検・メンテナンスをおすすめいたします。
エラーメッセージが消えない
様々なエラーメッセージがございますが、以下の場合は深刻な状況の場合が多いです。
・エラーメッセージを消せない
・説明書どおりに操作し、消してもすぐに表示される
・修理し消えたと思ったら再度表示される
お湯はりが止まらない
湯船の中にある循環口が汚れていると水位センサーが正常に作動しない場合がございます。入浴剤を使用される方や長い間お掃除されていない方はご注意ください。
完全に詰まって固まってしまっている場合は3~5万円程度で交換工事ができます。
どれも修理費が高い印象ですね。さらにいざ故障するとドミノ倒しのように数箇所同時に起こることもしばしば、、、多くのメーカーでは製造打ち切りから10年で部品の製造・保管期間が切れてしまうので「修理できません」なんていうことも十分ありえます。
「修理費20万円です」なんて言われた日には真っ青ですね。
覚えておきたいことが10年を経過したエコキュートは高いお金を出して修理してもまた別の故障がやってきます。必ずとは言えないですが、かなりの高確率です。
9年を過ぎたときには買い替えをしっかり視野に入れておきましょう。もしお金もなく、何らかの理由でローンも組めず、カードもなかったとしたら。。。修理も買い替えもできません。
寿命を短くしてしまうやってはいけないこと
メーカー非推奨の入浴剤の使用
基本的には濁り湯系の入浴剤は非推奨となっております。(ダイキンは「バスクリン」のにごり湯入浴剤に対応しています。)
各メーカー入浴剤についてのページ一覧
三菱(https://www.mitsubishielectric.co.jp/club-me/howto/memo/2111/index.html)
コロナ(https://www.corona.co.jp/support/faq/2276.html)
パナソニック( https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/99288/~/ )
ダイキン(https://www.ac.daikin.co.jp/group/dkhvac-chushikoku/ecocute/modal/sec2_2)
日立(https://kadenfan.hitachi.co.jp/kyutou/feature/index.html)
定期的なメンテナンスを怠る
この項の下に定期的なメンテナンスの方法を記載しております。
土地に合っていないエコキュートを設置する
例えば寒冷地において一般地仕様を設置する、塩害地域で一般地仕様を設置する、重塩害地域で塩害地仕様を設置するなどが当てはまります。
設置したからといって即故障というわけでもないですし、海沿いに一般地仕様を設置されて12年以上問題なく使用されていた方もいらっしゃいますが、ご自身の地域が当てはまる場合は可能な限りその機種を選びましょう。
塩害地仕様は受注生産の場合が多く、発注から2ヶ月程度お時間を頂戴することがございますので、余裕をもってご相談ください。
もし当店の商品一覧にご希望の商品がなくてもお取り扱い可能です。ご相談ください。
水質に合っていないエコキュートを設置する
井戸水を使用しているのに井戸水非推奨のエコキュートを設置している場合や、硬度の基準値を上回っている水質の地域での使用にはご注意ください。
一般的に地下水や井戸水にはカルシウム等の硬度成分が含有されており、エコキュート内部の詰まりの原因となっております。
ダイキン・日立・パナソニックのエコキュートはメーカー基準値を下回る井戸水に対応しています。
検査に1~2万円程度かかってしまいますが、必ず水質検査を行ってから設置しましょう。
ヒートポンプユニットの周りにモノを置かない
ヒートポンプユニットは空気を吸い込み、その空気を圧縮することで熱を生み出します。
しっかり空気を吸い込めるようファンの前に物を置くようなことは控えましょう。
不用意に本体を動かす
基本的に配管工事の際には動かすことを前提としていないため”遊び”を設けておりません。
やむおえず本体を移動する際は最寄りの工事店か、設置した業者に依頼しましょう。移動の距離にもよりますが、配管工事を再度行うことになりますので(ヒートポンプを少し動かす程度の場合は)3~5万円程度はみておくと安心です。
長期間家を開けるときは正しい措置を
もし一ヶ月家を空けるとなると必ず水抜きましょう。凍結の恐れや、水質の変化の危険がございます。
「ただ電源を落とすだけ」は絶対に行ってはいけません。
故障を減らす定期的なメンテナンス
やはり定期的なメンテナンスが最も大切です。メーカーの推奨する使い方を守り、説明書通りの間隔で水抜きなどを行いましょう。一般的なメンテナンス方法をこちらではご紹介いたします。
「3年後にやることなんて覚えてられない」という方はこれを期にGoogleカレンダーなどのWEBサービスもオススメです。10年先の予定まで保管できますし、予定の1ヶ月前に通知をするなど細かいリマインド設定も可能です。(もちろん10年後にそのサービスを使っていることが前提です。)
1.循環口アダプターの清掃(日常的に)
循環口とは湯船の中にあるお湯が出てくる部分です。実はこれ、表面のフィルターは簡単に外れます。(はずれない機種もございますので説明書をご参照ください。)
歯ブラシなどで詰まりを取り除いて、元どおりに正しくつけましょう。
また、強酸性の洗剤や塩素系のカビ洗浄剤はフィルターやネジを痛める原因となるため、使わないように注意しましょう。台所用中性洗剤は使用可能です。
2.タンクの水抜き(年に2~3回)
2~3年に1回と書いてあるホームページやブログを見ますが、デタラメな情報にご注意ください。
おそらくお使いのエコキュートの説明書にも数ヶ月に1回程度のスパンで記載があるはずです。
実はタンクの水抜きはとっても大切なメンテナンスです。
水道水を貯めるだけですので、汚れがたまらないように思えますが、実は微生物の残骸や水道管のサビ、殺菌のために含有されている塩素不純物がたくさん含まれています。(とは言っても周知の通り日本の水道水は世界的に見れば十分衛生的です)
この不純物が長い年月を掛けてタンクに溜まってしまいます。この不純物がフィルターのつまりや、配管の劣化に繋がるのです。エコキュートの10年程度の寿命というのは正しいメンテナンスを行っての数値とおぼえておきましょう。
※水抜きの最中には排水が凍らないよう、0℃以上の環境で行いましょう。
※排水中に熱湯が出る可能性もございますので、十分ご注意ください。
3.漏電しゃ断器の点検(1年に2~3回)
これもとても大切なメンテナンスです。ことば通り、漏電した際の被害を最小限に留めるために自動で電源を落とす装置です。こちら正常に作動するかどうか、年に2~3回程度チェックしましょう。
4.逃し弁での点検(1年に2~3回)
逃し弁は沸き上げ時の膨張した水を排出し、タンクを守るためにございます。
大抵はエコキュート上部の小窓にレバーががごあいますので、レバーを上げることでタンク内のお湯(水)を排水できます。
※点検時は配管に触れないようご注意ください。
5.給水ストレーナーの清掃(日常的に)
給水ストレーナーとは水道水がタンクに入るときのフィルターの役割を担う部品です。
タンクの表面化粧パネルか脚部カバーをはずした部分にございます。こちらが詰まってしまうと水圧が低下してしまったり、サビ等で破損してしまうと不純物がそのままタンクに入ってしまいます。
日常的にチェックし、歯ブラシなどでゴミを落とすようにしましょう。
交換するのは冬以外が断然オススメな3つの理由
さて、日常的な点検やメンテナンス方法についてお伝えいたしましたが、エコキュートをいざ交換するとなった場合いつ交換するのが良いのでしょうか?
当店では冬以外の交換をオススメしております。
大抵冬に壊れ、寒い中お風呂に入れなくなる
エコキュートは大抵冬に故障します。冒頭でもお伝えしましたが、「10年以上経過し、調子悪いけどなんとか乗り切った次の冬」は要注意です。
冬に本格的に壊れてしまうと銭湯通いとなり、それはそれで楽しいとおっしゃっていたお客様もいらっしゃいますが、出費もかさみ、毎日となるとかなり大変です。
それを見越し、冬の前に変えることをオススメしております。
人気機種がことごとく在庫切れになる
冬になると決まって起こる現象ですが、冬は各メーカーの人気機種が軒並み在庫切れになってしまいます。特に人気機種の場合は2ヶ月先納品というケースも。
故障していない状態で待てるということでしたら問題ないですが、12年以上経過してしまうといつ壊れてもおかしくないと思っておいた方が無難です。在庫に余裕のある冬以外も検討してみましょう。
設置工事会社もパンクし、工事日が確保しづらい
当店も同じことですが、工事日を確保することも大変になります。
冬と年度末を避けた日をオススメしております。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
しっかりメンテンナスすることがとても大切です。
メンテナンスを怠ると場所によっては給湯効率も下がってしまい、日々の電気代、水道代の負担がかさんでしまいます。
メンテナンスをしていれば防げた故障の場合、修理費なども考えるとかなりの負担となってしまいます。
せっかく設置したエコキュートですので、大切にしっかりメンテナンスしてエコな暮らしをしましょう!
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